「蜜蝋ラップを作りたいけど、手芸の経験がない…」
「ノンアイロンシャツの時代にアイロンなんて持ってないよ!」
「わざわざホホバオイルを買わないとダメなの?」
「専用の蜜蝋じゃないとダメ?」
一つの小物を作るために、いっぱいグッズを揃えるのは大変!
「蜜蝋ラップ」のような聞きなれないものを作るため「物を増やす」のは、もっとハードルが高いかもしれません。
そこでスタンダードな作り方から、少し変わっているけど海外で流行っている作り方を紹介します!
【筆者プロフィール詳細】
日本語・中国語・英語のトリリンガル。
2歳児と4歳児の母。
大学時代から通訳と語学教師のバイトをしており、
卒業後は語学力を活かし、外資系の会社に勤務。
仮名・漢字・アルファベットと自然に触れ合える日本で、
多言語環境を整えゆるゆる育児中。
目次
1.蜜蝋ラップとは
3.Q&A
5.まとめ
1.蜜蝋ラップとは
「蜜蝋ラップ」とは「エコラップ」の一つで、ミツバチが巣を作るために分泌する蝋で布をコーティングし、繰り返し使えるラップのことを指します。
平均3か月から半年間使用可能で、追加の蝋で修繕すれば更に長く使えるので、脱プラの一環として注目を集めています。
2.蜜蝋ラップの作り方
天然素材で繰り返し使える蜜蝋ラップ。実は簡単に手作りできるのをご存じですか?
ここでは、蜜蝋ラップの作り方を材料別にご紹介していきます。
・蜜蝋のみで作る方法
【材料①】
布 薄手のコットンまたはリネン
蜜蝋:布の3倍の重量
・蜜蝋とホホバオイルで作る方法
【材料②】
布 薄手のコットンまたはリネン
蜜蝋:布の3倍の重量
ホホバオイル:布の1/3の重量
【道具】
クッキングシート、新聞紙、アイロン。
【作り方】
・布をお好みの形に切る。
(刃の形状がギザギザや波型の「ピンキングハサミ」がオススメ)
・アイロン台の上で、下から「新聞紙⇒クッキングシート⇒布⇒蜜蝋(オイルを使う場合は一緒にかける)⇒クッキングシート」の順で重ねる
・低温(80度~120度)でアイロンをかける。
注意点:蜜蝋がアイロンについてしまうと後片付けが大変です!
クッキングシートを多めに広げて、蜜蝋をなるべく端に置かないようにしましょう。
【材料①蜜蝋のみ】で作る場合は、【材料②蜜蝋+オイル】で作るよりも柔らかくなります。
柔らかいほうが成形しやすく、密着性も高くなりますが、硬いほうが容器に蜜蝋がつきにくいので、どちらも長所と短所があります。
迷われる場合は市販品を購入し、使い比べしてみるのもいいでしょう。
蜜蝋のみを使う商品の例として、山田養蜂場の「みつろうラップ」などが挙げられますが、蜜蝋以外にオイルや樹脂を添加した商品も多く存在します。
3.Q&A
エコのための蜜蝋ラップなのに、余計なものを増やしたら本末転倒!
そして、エコのために出費が増えるのもなんとか避けたいですね。
ここで、「〇〇がなくてもできちゃう」方法を紹介していきます。
・大きめの蜜蝋を買ってしまった!
すりおろし器を使えば、より細かくすることができます。
むしろこの方法のほうが溶けやすいです!
・精製蜜蝋&未精製蜜蝋の違いは?
市販の蜜蝋ラップ用の蜜蝋にはいろんな色と形状がありますね。
精製蜜蝋はホワイト、未精製蜜蝋はイエロー。
蜜蝋ラップ作りの場合、ポイントは「色」と「匂い」を気にするかによります。繊細な生地を使う時など「発色が気になる」場合は精製蜜蝋がオススメです。
また、蜜蝋の匂いは少々独特で、「蜂蜜の甘い香り」とはイメージがだいぶ違います。精製蜜蝋のほうが匂いが少ないですが、蜜蝋ラップの匂いは意外と食べ物につきませんので、気にされない方も多いです。
・ホホバオイルの代用品は?
ココナッツオイルもご利用いただけます。
ゆくゆくお料理やお菓子作りにも使えるので、「残ったホホバオイルはどうすればいいの?」でお困りの方は、こちらで置き換えてみてください。
・アイロンがない場合
蜜蝋の融点(溶ける温度)は、一般的に62℃~65℃とされています。
つまり、アイロン以外の方法で溶かせば蜜蝋ラップを作れます!
海外のレシピでは以下二通りの代替案があります:
①オーブンを80度に温める。
クッキングシートの上に布と蜜蝋を載せる。
見守りながら加熱し、溶けるのを確認したらバターナイフで伸ばす。
②湯煎で蜜蝋を溶かす。
溶かした蜜蝋をブラシで布に塗る。
オイルを使う場合は、事前にオイルと蜜蝋を混ぜます。
アイロンを使わない方法は、お子様の自由研究などにもご活用ください!
・キッチンスケールがない場合
実は、海外では蜜蝋についての「量」が載っていないレシピもあります!
蜜蝋ラップはとても身近なものなので、目分量で作っている方も多くいます。
一番手軽に買える蜜蝋を使う、日常生活でもよく使うオイルを使う、アイロンやキッチンスケールをわざわざ買わない、なんなら古着をチョキチョキして使っちゃう!
作る過程の小さな取り組みも一つ一つエコにつながります。
4.蜜蝋ラップの使い方
「蜜蝋ラップを何に使おう?」と最初は迷われることも多いでしょう。
まずは「ワンシーン」から置き換えてみましょう!
半分の切った野菜を保存したり、瓶や缶の蓋代わりに使用したり、欧米のご家庭のようにランチのサンドイッチやリンゴを包んだり……毎日少しずつ使ってみれば、どんどん慣れていきます!
無理に脱プラせず、気づいたら「最近プラスチックラップをあまり使っていないかも…」が一番自然かもしれません。
蜜蝋ラップの注意点またはデメリットとして、
・熱に弱い
・酸に弱い
・強い洗剤に弱い。
などがあげられます。
・レンジ・オーブンで使用しない
・切り分けた柑橘類を避ける
・生肉・生魚に使用しない
・基本冷水で洗浄し、必要な時だけ中性洗剤でやさしく洗う。
そして「1歳未満の赤ちゃんと蜂蜜アレルギーの方に使用しない」などの配慮が必要となります。
「透明じゃないのが不便」という声も聞きますが、透明容器との組み合わせて使ったり、いつも使う玉ねぎには玉ねぎ柄の布を使ったり、アレンジ次第で楽しみ方が無限大です!
プラスチックラップのように使うほか、色紙のように折ってお皿にしたり、生け花を包むなどの使い方ができます。
蜜蝋ラップは、プラスチックラップと完全に置き換えることはできません。しかし一部プラスチックラップを使用するシーンを蜜蝋ラップに置き換えるだけでも、環境保全につながります。
5.まとめ
蜜蝋ラップはコットンやリネンの生地を蜂の作った蝋でコーティングした、繰り返し使用可能なエコラップです。
作り方としては、生地に蜜蝋とオイルを染み込ませます。
蜜蝋のみで作る場合もあれば、より密着性を高めるため、蜜蝋にオイルを少し混ぜる場合もあります。
蜜蝋については、小粒の専用蜜蝋以外にも、ブロックの蜜蝋もすり下ろせば使えます。仕上がった後の色味または蜜蝋の匂いが気にならない場合は、未精製蜜蠟も選択肢の一つでしょう。
オイルについては、市販品や一般的なレシピでホホバオイルを使用していますが、ココナッツオイルでも代用可能です。
蜜蝋を染み込ませる時は、生地に蜜蝋を散らし、クッキングシートと新聞紙でアイロン台とアイロンが汚れないようにしたうえ、アイロンをかけて溶かすのが主流ですが、オーブンや湯煎で蜜蝋を溶かし、生地に染み込ませる代替案もあります。
蜜蝋ラップは熱や酸に弱いなどの性質があり、また天然素材ゆえに赤ちゃんやアレルギーの方にはご利用いただけません。
完全にプラスチックラップの代わりにはなれませんが、それでもキッチン・冷蔵庫・ピクニックなどのシーンで活躍できます。
色と柄を思う存分楽しめるのも蜜蝋ラップならではのチャーミングポイントですね!
ご覧いただきありがとうございました!
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